パデル

パデルとはどんなスポーツ?基本ルールやテニスとの違いも徹底解説!

パデルとはどんなスポーツ?基本ルールやテニスとの違いも徹底解説!

「パデルって名前は聞いたことあるけど、どんなスポーツなの?」
「テニスと似ているって聞いたけど、実際の違いは?」

そう思う方も多いのではないでしょうか。

パデルはテニスとスカッシュを融合させたような、世界で急成長中のラケットスポーツです。
ダブルス専用で初心者でも始めやすく、壁を使った独特のルールがあるため、ラケットスポーツ経験者も新鮮なプレーを楽しめます。

本記事では、パデル歴2年の筆者が、パデルとは何か、基本ルールやコートの特徴、テニスとの違い、さらに世界や日本で人気が高まっている理由まで徹底解説していきます。
スポーツ初心者からテニス経験者まで、パデルの魅力を理解できる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

パデルの起源と歴史

パデルの起源と歴史

1970年代に誕生したパデルは、メキシコやスペインを起点として世界中に広がりました。
発祥の背景を知ることで、このスポーツの魅力や成長の理由が見えてきます。

メキシコとスペインにおける誕生

パデルの起源には二つの重要な地域が登場します。

1969年、メキシコの実業家エンリケ・コルクエラが自宅の庭にコートを作り壁を張り巡らせた「パドル・コルクエラ」というゲームを考案したことが正式なスタートとされています。
その後1970年代に入り、友人であるスペインの実業家アルフォンソ・デ・ホーエンローエがこの新しい遊びに魅了され、1974年にスペイン・マルベーリャに最初のパデルコートを建設しました。

このようにメキシコで生まれ、スペインで発展したことが、パデル成長の出発点です。

世界への広がりと普及

スペインでの成功を受けて、1975年にはアルゼンチンの富豪フリオ・メンディテンギがパデルを自国に紹介し、アルゼンチンでも爆発的な人気が広がりました。
アルゼンチンでは現在200万人以上のプレーヤーと1万面を超えるコートが存在します。

その後、ポルトガル、イタリア、フランス、イギリスなどヨーロッパ各国にも広がり、国際パデル連盟(FIP)が1991年に設立されるなど競技基盤が整いました。
2023年時点で90カ国以上にパデル連盟があり、世界で2,500万人以上の選手がプレーしていると報告されています。

日本における導入と現状

日本にパデルが初めて紹介されたのは2013年で、埼玉県所沢市に日本初のパデルコートが完成しました。

現在は日本パデル協会が設立され、国内でもコートや競技人口が徐々に増加しています。
国内の大会数は年間約100回を超えており、競技人口は約1万5千人に達するとダンロップ社が紹介しています(参考はこちら)。

今後さらに施設が増え、国際大会への参加やプロ選手の育成が期待されています。

パデルの特徴と魅力

パデルの特徴と魅力

パデルはテニスとスカッシュの要素を融合させたような独特のスポーツです。
壁を利用したダイナミックなプレーや初心者でもすぐに楽しめる手軽さが人気のポイントとなっています。

ここでは、パデルの特徴と魅力について、代表的なポイントを具体的に説明していきます。

コートと壁を活かした戦略

コートと壁を活かした戦略

パデルコートは長さ20メートル、幅10メートルというテニスコートの半分ほどの大きさで、周囲を強化ガラスと金網の壁で囲まれています。

壁や金網にボールがバウンドしてもプレーを続けられる点が大きな特徴で、プレーヤーは壁や金網を使った戦術を駆使して相手を翻弄します。
ガラスに1バウンドしたボールが空中にある間に打ち返すことができる特別ルールがあり、テクニックと頭脳を組み合わせた戦略性の高さが魅力のスポーツです。

適度な運動負荷で初心者でも楽しめる

コートが小さくダブルスが基本であるため、動く範囲が限られ体力的負荷が少ないのもパデルの特徴です。

ラケットはテニスラケットよりも小型でガットがない板状の面を持ち、扱いやすいため初心者でも短時間でボールを打てるようになるでしょう。

また、ボールはテニスボールよりも空気圧が低く反発力が小さいためコントロールしやすく、子どもから高齢者まで幅広く楽しめるスポーツとして注目されています。

実際に筆者はパデルスクールでレッスンを受けたりレンタルコートを借りてパデルを楽しんでいますが、小学生くらいの子どもから70歳以上の方まで、幅広い世代の方がプレーしている姿を目にしています。

ラリーの楽しさと高いコミュニケーション性

パデルでは壁を利用することでラリーが長く続きやすく、他スポーツにはないスリリングな展開が特徴です。

また、プレーヤー同士の距離が近く声を掛け合いながらプレーするため、コミュニケーションが活発になり、観客も間近で試合を楽しめます。

海外では音楽が流れるカジュアルな雰囲気の中でプレーすることも多く、社交性の高さが人気の理由の1つとなっています。

健康効果とカロリー消費

スペインのパデルスクールによると、パデル1時間の消費カロリーは700~1,000キロカロリーに達すると報告されています(参考はこちら)。
適度な有酸素運動と瞬発力を組み合わせた動きが全身の筋肉を刺激し、ダイエットや心肺機能の向上にも効果的です。

楽しく続けられるスポーツとして健康志向の人々からも支持されています。

パデルのルールと基本的なプレー

パデルのルールと基本的なプレー

パデルを楽しむためには基本ルールの理解が欠かせません。
テニスに似た部分とパデル特有のルールを押さえておきましょう。

基本ルールとスコアリング

パデルは2人対2人のダブルスで行うスポーツで、ポイントの数え方や試合進行はテニスと同じです。
1ゲームは4ポイント先取で勝ちとなりますが、双方が3ポイントずつ取るとデュースとなり、2ポイント連取した側がゲームを取ります。
ただし、プロの公式戦以外は時間も限られているため、デュースで次のポイントを取った方がゲームを取る「ノーアド」と言われるルールでプレーするケースが多いです。

また、1セットは6ゲーム先取(または4ゲーム先取)で、3セットマッチの場合は2セット先取した側が勝利になります。

ラブ、15、30、40とカウントする点もテニスと同様です。

特殊ルールと失点シチュエーション

特殊ルールと失点シチュエーション

パデルでは、コートに入ったボールが1バウンドした後にガラスや金網に当たった場合、そのボールが空中にある間は相手コートへ打ち返すことができます。
横壁や後ろの壁を利用して相手コートに返球できる点も特徴です。

また、下記の場合、プレーは終了し相手のポイントになります。

  • ボールが自陣で2バウンド以上した場合
  • ネットに当たって相手コートに入らなかった場合
  • ノーバウンドで相手コートの壁に当たった場合

サーブの方法とサービスレット

パデルのサーブはアンダーハンドで行い、サーバーはサービスラインの後方でボールを一度バウンドさせてから腰より低い位置で打ちます。

サーブは2回まで試せる点や、ネットやポストに触れた後でも相手のサービスボックスで2バウンド以内にフェンスに当たらなかった場合はサーブのやり直し(サービスレット)が認められる点が特徴です。

サーブが相手のサービスボックスに入らなかったり、ワンバウンド後に金網に当たった場合はフォルトになります。

主要なショットと戦術

パデルには、下記のような多彩なショットがあります。

  • 壁にバウンドしたボールを処理する「レボテ」
  • 横壁と後ろ壁の2枚の壁にボールが当たってからボールを返球する「ドブレ」
  • 自陣の壁にボールを当てて返球する「コントラパレッド」
  • スマッシュとボレーの中間にあたる「バンデッハ」
  • スライスを効かせて弾ませない「ビボラ」
  • テニスのスマッシュに近い「レマテ」
  • 壁を利用した返球や相手の足元に沈める「チキータ」

ここで紹介した以外にも多彩なショットがあり、戦略・戦術性が高いのが特徴です。
これらのショットを使い分けることで相手のミスを誘い、ラリーを優位に進めることができます。

パデルの用具とコート

パデルの用具とコート

パデルを楽しくプレーするためには、専用の用具やコートの特徴を理解しておくことが重要です。
ここでは、パデルの施設や道具に関して基礎的な知識を紹介していきます。

コートのサイズと構造

コートと壁を活かした戦略

パデルのコートは長さ20メートル、幅10メートルの長方形で、中央に高さ約0.88メートルのネットが張られています。

周囲は高さ3〜4メートルの強化ガラスや金網で囲まれており、ボールが壁に当たってもプレーが続行できるよう設計されています。

ラケットの種類と選び方

パデルラケットはテニスラケットよりも小さく、ガットの代わりに硬い素材で作られた板状の面に穴が開いているのが特徴です。

形状には丸型(コントロールタイプ)、しずく型(バランスタイプ)、ダイヤモンド型(パワータイプ)の3種類があり、それぞれに適したプレースタイルがあります。

初心者はスイートスポットが広く扱いやすい丸型から始めるのが一般的で、パワーを求める上級者はダイヤモンド型を選ぶ傾向があります。

ラケットについては下記記事でレベル別におすすめのラケットを紹介しているので、興味がある方はご覧になってください。

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ボールとその他の装備

パデルボールは見た目こそテニスボールに似ていますが、内部の空気圧が低く反発力が小さいため、思ったよりも低く弾みます。

シューズは砂入り人工芝のコートに適したグリップ性の高いものを選びましょう。
パデルシューズもありますが、テニスの「オムニ・クレー」タイプのシューズでも問題なくプレーできます。

また、ウェアは動きやすさが重要で、本場スペインではカラフルでおしゃれなデザインが人気です。
運動着でなければいけないわけではないので、自分の好きなウェアでプレーしてみてください。

パデルの世界的な人気と将来性

パデルの世界的な人気と将来性

パデルは世界的に急速に普及しており、スポーツ産業としても注目されています。
将来の可能性や日本での展開について整理していきましょう。

世界の競技人口と市場規模

国際パデル連盟によれば、2023年時点でパデルのプレーヤーは世界で2,500万人を超え、90カ国以上でプレーされています(参考はこちら)。
ダンロップは「世界に41のパデル連盟が加盟し、競技人口が1,800万人を突破した」と世界に発信しました。

また、スペインやアルゼンチンなど一部の国では急激にプレーヤーが増えており、世界的な市場規模は20億ユーロ規模に達すると報じられています。
実際にヨーロッパや東南アジア、中東を旅行するとパデルコートを目にすることも多く、今後も世界各地でパデルは普及していくことが予想できます。

スペイン・アルゼンチンなどの国別動向

スペインではパデル人口が600万人に達し、サッカーに次ぐ国民的スポーツとなっています。
一部の調査ではパデル人口がサッカー人口を上回ったという結果も出ており、リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドなどのプロサッカー選手の自宅にパデルコートがある例も多いです。

また、アルゼンチンでは200万人以上以上の競技者が存在し、国内に1万面を超えるコートが整備されています。

これらの国々ではプロツアーや国際大会が活発に開催され、若手選手が育成されています。
イタリアやポルトガル、フランスでも連盟が設立され、パデル人口が拡大しています。

オリンピック競技化の動きと今後の展望

パデルは1992年から隔年で世界選手権が行われています。
国際パデル連盟は2032年の夏季オリンピックで正式競技入りを目指し、加盟国数75カ国の達成を目標に普及活動を進めているようです。

2023年のヨーロッパ競技大会にも採用され、国際的な認知度は急速に高まっています。
今後はプロリーグの拡充や男女混合種目の盛り上がりなど新たな発展が期待されます。

日本での普及とビジネスチャンス

日本ではまだ競技人口が少ないものの、施設の整備やメディア露出が進みつつあります。
企業がパデル専用シューズやラケットを販売したり、コート併設のフィットネスクラブを作るなど、新たなビジネスチャンスも生まれています。

また、コミュニティスポーツとして地域交流を促進する役割も期待され、今後は学校教育や企業研修への導入などさらなる広がりが見込まれます。

まとめ

まとめ

今回はパデルとは何か、基本ルールやコートの特徴、テニスとの違い、さらに日本で人気が高まっている理由について解説してきました。

パデルは誰でも気軽に始められる一方で、戦略や技術の幅も広く飽きないスポーツです。
この記事をきっかけに、ぜひ近くのコートでパデルを体験してみてください。

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PadelMan
パデル歴2年。公式大会にも出場するほどパデルをこよなく愛し、「パデルは日本で一番面白いスポーツ」と思っています。自身の体験や実践から得た知識をもとに、これからもっと多くの人にパデルの魅力を伝えたいと奮闘中。初心者から上級者まで、パデルを楽しむすべてのプレイヤーに役立つ情報を発信していきます。